こんにちは、川畑です。
今回は「副業の税金対策って何をすればいいの?具体的な対策法をご紹介!」
というテーマでお話していきたいと思います。
現在、日本の所得税は累進課税制度納が導入されています。
累進課税制度納とは、高得者は高税率・低所得者は低税率になるという制度です。
この制度は副業にも適用されるため、副業の収入が多ければ多いほど納税額が増えていきます。
その為、税金対策をしていない場合は、せっかく副業で稼いでいても思ったより手元に残らなかったということも起こりえます。
また、不確かな知識の中で税金対策を行うことで「脱税」を行ってしまう可能性も考えられるため、まずは正しい知識を身に着けることが重要です。
今回は、副業の税金対策として有効な手段をいくつかご紹介していきます!


1.副業をしても税金は取られる?


稼いだ額によって税率は変わりますが、副業にも税金はかかってきます。
まず、税金には国税と地方税があり以下のように分類されています。
税金には、課税主体が国である「国税」と、地方公共団体である「地方税」があります。
国税には、所得税、法人税、相続税、贈与税、消費税、酒税、たばこ税、自動車重量税などがあり、地方税には、住民税、事業税、固定資産税、地方消費税、自動車税などがあります。
出典:財務省
この中で副業に関わる税金は、主に「所得税」と「住民税」の2つです。
1-1.所得の種類
①給与所得
まず、給与収入と給与所得の違いについてご説明します。
給与収入とは年収のことで、源泉徴収前の給与や賞与を合算したものを指します。
※その他、無償で受け取った会社の商品なども含まれるため注意が必要です。
給与所得とは、上記の給与収入から経費を差し引いたものを指します。
会社員の方は自動的に会社が経費を差し引いてくれますが、副業(フリーランス)の場合は自ら計算する必要があります。
のちほど、その計算方法を詳しくお伝えします。
②事業所得
個人事業としての売り上げには事業所得が該当します。
こちらは売上から経費を差し引き、更に青色申告特別控除(10万円もしくは65万円)が課税の対象となります。
③不動産所得
マンションやアパートの賃貸業はこちらが該当します。
不動産所得も事業所得と同じく、売上から経費を差し引き、更に青色申告特別控除(10万円もしくは65万円)が課税の対象となります。
④雑所得
アフィリエイト等による収入は雑所得が該当します。
こちらは青色申告の対象外ですので、経費を差し引いた分を納税する必要があります。
1-2.住民税
住民税とは前年の課税所得に応じて発生するもので、大きく2つに分類することができます。
- 都道府県が徴収する都道府県民税
- 市町村が徴収する市町村民税
所得税はその年の所得で税率が決まりますが、住民税は前年度の所得から計算されるという特徴があります。
例えば会社を退職して収入が減った場合でも、前年度の所得に見合った住民税を収めることになります。
2.副業で得た収入を確定申告しなかったらどうなる?


2-1.確定申告を行う条件
前提条件として、確定申告が必要な場合は以下の条件にあてはまる場合です。
①給与を2ヶ所以上から受け取っている
アルバイトやパートなど、勤め先が2ヶ所以上ある場合は収入が多い方の会社でまとめて確定申告を行います。
副業していることを会社にバレたくないという方は、インターネットを使用した副業(クラウドソーシングやせどりなど)をおすすめします。
②副業の収入が年間20万円を超えている
副業の収入が毎月平均1万6500円前後であれば確定申告を行う必要はありません。
しかし、年間20万円以下の場合でも、医療費控除や住宅ローンなどの控除を受けたい場合は申告する必要があるので注意して下さい。
また、住民税は別途申告が必要になるのでご注意ください。
2-2.脱税の危険性


年間20万円以上の所得があるにも関わらず確定申告を行わなかった場合、一体どうなるのでしょうか?
その答えは「脱税」です。
脱税が発覚すると「延滞税」などを支払うことになります。
延滞税の計算方法は下記の通りです。
出典:国税庁
出典のリンクから自動計算もできるので、心当たりのある方はご活用ください。
副業で得られる収入は人それぞれですが、条件が揃っている場合は例え少額でも申告する義務があります。
- ほんの少ししかオーバーしていないから黙っておこう。→過少申告加算税
- 所得税についての知識がなかったため申告しなかった。→無申告加算税罪
というように、悪気の有無に関わらず罪に問われてしまう可能性があります。
せっかく副業でお金を稼いでも、法を犯してしまっては元も子もないので、正しい知識を身につけて「脱税」をしないように十分注意して下さい。
3.副業でかかる税金の種類と計算方法


3-1.所得税の計算方法
所得ごとに計算方法が異なるので、下記の表を参考にして計算を行ってみてください。
<平成29年度分~令和元年分>
<令和2年分以降>
令和2年以降は、嬉しいことに全体的に10万円ほど下がる見込みです。
下記のサイトから簡単に計算することもできるので、InternetExplorer6以上でJavaScriptの起動の設定をされている方はぜひお試しください。
3-2.住民税の計算方法
住民税は所得税とは別に前年の課税所得に応じて発生します。
課税所得の10%+均等割=住民税
課税所得×10%はその地域に住んでいない場合(事業所のみの利用等)は支払不要ですが、その地域が定めている均等割については負担が必要です。
均等割は地域によって1,800円~4,500円と差があるため、年間にすると数万円の差が出ます。
均等割は所得金額によっては非課税になる地域もあるため、確認が必要です。
4.副業で発生する税金の対策とは?


4-1.出来る限り経費として精算すること
税金対策において重要なのでは、なるべく経費として精算することです。
経費として精算するには、以下の2点に当てはまる必要があります。
- 副業を行うために必要なものか
- 領収書やレシートをしっかり保管しているかどうか
これらに当てはまらないものは経費として申告できませんが、逆にいえば在宅で副業を行っている方は家賃や光熱費を経費として申告することができるのです。
経費として申告できるものは下記の通りです。
①租税公課
租税公課とは、税金のことを指します。
税金を払うのに税金を経費として引くというのは、少し混乱してしまいますよね。
簡単にまとめると、オフィスを所有している場合はその固定資産税、自動車を所有している場合は自動車税や重量税などが対象となります。
既に税金として支払う分は青色申告できるため、忘れずに行いましょう。
②荷造運賃
荷造運賃は商品を発送する際にかかる物です。
送料以外にガムテープや段ボールも経費として落とすことが出来ます。
③水道光熱費
ライフラインに必要な水道代、電気代も経費として落とすことが出来ます。
ただし、自宅と事務所を兼用している場合は審査され、認められない場合もあるので注意しましょう。
④旅費交通費
出張手当や宿泊費を経費として落とすことが出来ます。
自動車の場合、車両費、ガソリン代も経費に含めることが可能です。
⑤通信費
ケータイ、スマホ代を経費として落とすことが出来ます。
しかし、プライベートと兼用する場合は仕事で使う分を考慮する必要があります。
⑥広告宣伝費
テレビで流れるCMや新聞の広告欄に掲載する際の費用を、経費として落とすことが出来ます。
商品を宣伝するために必要な活動もこちらに該当します。
⑦接待交際費
取引先との飲食や、お中元、お歳暮、慶弔見舞金などが含まれます。
しかし、事業とは関係のない人物は対象外なので注意しましょう。
⑧損害保険料
事業に必要な保険に対しては経費として落とすことが出来ます。
ただし、プライベートを兼用する場合は差し引く必要があります。
⑨修繕費
店舗や事務所の修理にかかる費用を経費として落とすことが出来ます。
賃貸物件の場合、壁の修繕などもこちらに該当します。
⑩消耗品費
仕事に必要な10万円以内の物に対して経費で落とすことが出来ます。
⑪減価償却費
高額な物に対し、一定の年数に渡り、費用を分けて経費にすることが出来ます。
計算方法は大きくわけて「定額法」と「定率法」があり、
前者は毎年同額を計上することを指し、後者は費用に対して毎年一定のパーセンテージを経費としてかけることができます。
例としては150万円を自動車を購入した際に定額法を用いると、5年に渡り毎年30万円の損益計算が出来ます。
定率法では毎年40%とした場合、初年度は60万円、翌年は残額の90万円に償却率をかけて算出していきます。
⑫福利厚生費
従業員に対しての食費、家賃補助、健康診断などに対して経費で落とすことが出来ます。
⑬給料賃金
従業員に対しての給与、賞与を対象に経費として落とすことができます。
ただし、事業主や生計を共にする専従者はこちらに該当しません。
こちらは別途、専従者給与として処理します。
⑭外注工賃
外部発注する事による報酬金に対し、経費で落とすことが出来ます。
⑮利子割引料
事業所得などによる借入金の利息に対し、経費で落とすことが出来ます。
⑯地代家賃
事務所や倉庫、駐車場の費用に対して、経費で落とすことができます。
管理費や共益費が該当し、20万円未満であれば敷金、礼金等を含めることが出来ます。
⑰賃倒金
業績悪化などにより、回収出来なくなった費用に対して経費で落とすことが出来ます。
⑱雑費
他の経費に該当しないかつ、経費として認められる場合に申告することが出来ます。


自宅でインターネットを使って副業を行う場合は、水道光熱費、通信費、通信費、雑費あたりを経費として申告できそうですね。
さきほどもお伝えしましたが、経費は領収書やレシートがないと申告できないので、間違って処分することのないようにしてください。
4-2 ふるさと納税を活用しよう


ふるさと納税とは、一定額を自治体に納める事で返礼品を受け取る事が出来るものです。
支払った分は翌年に所得税と住民税から2000円差し引いた額が還付されます。
Q.ふるさと納税による税金控除限度額の計算の際に、副業の給与所得も含めることはできますか。
A,確定申告し、合算した金額で計算することになります。
ふるさと納税による税金控除・還付の限度額を計算する際に、本業の給与所得とは別に、副業の給与所得、雑所得、事業所得、不動産所得等が発生している場合には、所得税の課税対象となる所得は全て含んで計算します。
限度額が上がることで、ふるさと納税の寄付の幅が広がります。今年から副業を始められたのであれば、去年より高額な限度額によるふるさと納税ができます。引用:さとふる
副業の届け出を出さない場合は、本業の会社から控除されてしまうのでお気を付けください。
また、副業分の税額が控除額を超えていなければ申請はできません。
ふるさと納税のやり方
まずこの制度を最大限活用するためには所得と住民税、家族構成によっても異なる為、ライフスタイル別に控除額を調べる必要があります。
下記サイトにてシミュレーションする事が出来るので、是非行ってみてください。
控除上限額を調べたら、次は寄付する自治体を選びます。
1年を通して複数の自治体に申し込むことは出来ますが、5団体までであれば「ワンストップ特例制度」と呼ばれるとても簡単に手続きが出来る制度があるため、まずは5団体に抑えて選択しましょう。
5団体を超える場合は、確定申告を個人で行う必要があります。
クレジットカードに対応している自治体であれば、インターネット上で申し込みと同時に寄付することが出来るので簡単でおすすめです。
その後、しばらくすると自治体からお礼の品と「寄付金受領証明書」が届くため、確定申告シーズンが過ぎるまでは保管しておいてください。
その後、ワンストップ特例制度もしくは確定申告を行うことで、寄付金額から2000円差し引いた額が翌年の所得税・住民税より還付されます。
自己負担2000円で豪華な返礼品が手に入るため、税枠に余裕のある方はぜひ行ってみてください!
充実している日本の控除制度
このように、様々な控除制度が存在しています。
これだけあれば、今まで気が付かずに見逃していた可能性もありますよね。
さかのぼって申告出来る控除制度もあるので、心当たりがあれば税務署に問い合わせてみてはいかがでしょうか。
5.まとめ


今回は、副業の税金対策についてお話をさせていただきました。
税金というと難しくて面倒な印象を抱くかもしれませんが、しっかりと正しい知識を身に着けることで得をするので、ぜひ覚えておいてください。
特に押さえておきたいポイントは「経費として扱えるものは必ず申告すること」です。
今まで経費として落としたことが無かった!という方は、これを機にぜひ申告してみてください。
それでは今回はここまでになります。
ありがとうございました!