こんにちは、川畑です。
近年は、大学生でも起業して自分でビジネス展開し、成功した例も少なくありません。
世の中のニーズを見据え、アイデアを活かすことができれば、学生でも起業家として活躍することができます。
仮に大学卒業後、会社に就職することになっても、学生時の起業経験を会社の仕事に活かすことも可能です。
目次
1.大学生で起業して成功した有名人
大学時代に起業し、成功した人物は、実際にどのように起業したのか、実例を見ていきます。
1-1.堀江貴文(ホリエモン)


有限会社オン・ザ・エッヂ(現・株式会社ライブドア)創業者。
堀江貴文は東京大学在学中に、オン・ザ・エッヂを創業します。
まだインターネットが世に出始めて間もない頃、今ではどこでもやっているようなホームページ製作事業に、いち早く参入します。
圧倒的な行動力で、プロ野球球団の取得、ニッポン放送の買収、2005年の衆議院選挙に立候補など、経営だけに留まらず、活動の幅を広げます。
しかし、彼の最大の売りでもある理論的な行動は、その時の人々にはドライな印象を与え、これらの活動はいずれも失敗に終わっています。
そして、彼が世間から見放された最大の出来事が、証券取引法違反容疑による逮捕です。
これは一般的な犯罪とは異なり、東京地検特捜部により起訴されたもので、要するに検察からずっとマークされていた、ということです。
今から振り返ってみれば、それだけ世間の反感を買っていた証とも言えるでしょう。
しかし、彼はこれで腐るような人間ではありません。
刑務所での生活を本にして出版します。
刑務所出所後は、起業の舞台を宇宙へと移します。
民間企業で宇宙旅行を実現すべく、民間ロケットを打ち上げたりと、活躍は止まりません。
1-2.孫正義


ソフトバンク創業者。
スタンフォード大学の大学生2人が創業した、アメリカのYahoo!にいち早く目を付けたのが孫正義でした。
アメリカYahoo!社とソフトバンクの共同出資で、Yahoo! JAPANを設立。
同社は、今や日本のポータルサイトの代表と言っても、過言ではありません。
孫正義は福岡県の私立高校を中退し、単身で渡米後、ホーリー・ネームズ・カレッジに入学します。
その後、名門バークレー校に編入し、誰にも負けないくらい勉強したと、後に自負するほど、相当な猛勉強をしてました。
学生時代にお金に困ると、アルバイトをするなんかより、発明した方が断然儲かると、一念発起。
「音声付き電子翻訳機」を自作で開発し、SHARPに提案したところ、当時の副社長であり佐々木正の目に止まり、開発・販売費用として、学生ながらにして、なんと1億円の資金を手に入れることに成功。
そして、この資本金を元手として、ソフトバンクの設立に至りました。
孫正義がすごいのは、自分の生命を燃やし尽くしてでも、世の中を良くしようと、本気で思っていることです。
彼がアメリカのバークレー校に通っていた頃、こんなエピソードがあります。
大学の試験を受ける際に、普通に受けたら語学力の差で落ちてしまいます。
そこで孫青年が考えたのが、試験に英和辞書を持ち込むということでした。
もちろん、普通であればカンニングに当たるので、絶対に不可能です。
しかし、彼はものすごい気迫で試験官を説得します。
「私は日本人だから、完全に英語を理解していない。設問にわからない単語がある。
それはフェアでない。この問題が日本語で書かれていたら、絶対に問題を解くことができる!
だから辞書の持ち込みを許してほしい。許しを得るまで私はここを動かない!」
若い頃から、不可能を可能にするほどの情熱を持っていた証左とも言えるエピソードです。
1-3.ラリー・ペイジ


ラリー・ペイジはGoolgeの創業者です。
彼は小さな頃からコンピュータに親しみ、学校の成績も優秀でした。
スタンフォード大学計算機科学の博士課程に共に在籍していたセルゲイ・ブリンと共に、検索エンジンに関する研究を行い、共著で論文を発表します。
そして、この研究を元に、二人はGoogle社を設立します。
学生時代での研究の成果は、Googleの機能に生かされています。
彼は単なる研究者に留まらず、研究をビジネスにつなげることを意識していたようです。
12歳の頃、ペイジは発明家ニコラ・テスラの伝記を読みます。
テスラは天才でありましたが、研究、発明がなかなか世に認められない不運の発明家でした。
これを知ったペイジ少年は、発明するだけではだめで、たくさんの人に使ってもらって、知ってもらうことが重要であることに気づきます。
つまり、商品の質も大事ですが、マーケティングもまた重要であることに、幼くして気づいていたと言えます。
2.大学生が起業するメリット
大学生で起業するメリットは、その後の人生で何をするにしても、思考や行動の指針となることです。
また、学生だからこそできること、を考えてみるのも面白いと思います。
2-1.起業すれば就職にも役立つ


起業というと、会社を作って社長になるというイメージがあるかもしれませんが、そうではありません。
お金が入ってくる仕組みを作るのが起業です。
例えば、有益なブログを作って、アクセスを増やし、広告収入を得るというのも、立派な起業です。
もちろん、ブログを作り込むには、それなりの時間がかかりますが、完成してしまえば、ほとんど何も手を加えなくても、一定の広告収入が約束されます。
あるいは、このようなアクセスのあるサイトで、何かしらの商品やサービスを販売することもできます。
ビジネスは基本的に、
見込み客を集客 → 見込み客を教育(売りやすくする) → 販売
という流れがあります。
この一連の流れを作り収益化ができれば、学生時に限らず、あらゆるビジネスに応用できます。
もちろん、学生時の起業は学生までで卒業し、卒業後は就職するという場合でも、この経験は必ず仕事に活かすことができます。
そのため、大学での勉強以外の時間をアルバイトに当てるのもいいですが、起業に当てるのもありだと思います。
2-2.学生ならではの視点を起業に活かす


ビジネスアイデアの基本として、皆が困っていることをビジネスにするということがあります。
学生であれば、毎日の勉強や試験、就活など、「学生ならではの困りごと」があるかと思います。
例えば、勉強であれば、講義の板書まとめや、効率の良い単位取得方法のコーチング。
就活であれば、良い会社をまとめた情報や、交通費や旅費を浮かせる方法など、就活サポートをビジネス化することができます。
これは会社としてやるのであれば難しそうですが、学生だけのコミュニティのようにして、皆から情報をアップしてもらうようにすれば、お客さん自身を運営側に引き込むことができます。
学生だからこそ、コミュニティが作りやすいというメリットもあります。
3.大学生が起業するデメリット
起業に必要な資源といえば、「人、金・物・情報」の4つと、「時間」があります。
学生の頃は、この中で特にお金がないため、どのようにお金を工面するか、ということを考える必要があります。
3-1.起業に必要な資金を集めにくい


基本的に学生はお金を持たないので、親からお金を借りるなどしないと、大金を用意することが難しいです。
サラリーマンであれば、毎月の給料だけでなくボーナスがあったり、退職した際の退職金を利用することもできますが、学生がお金を得るには、アルバイトくらいしか手段がありません。
そのため、まずは自分がやろうとしているビジネスに、どのくらいの資金が必要なのかを考えたり、資金が少なくてもできるようなビジネスを考えることが必要です。
3-2.金融機関や自治体からの融資を受けにくい


起業するに当たって、金融機関や国、市町村などから融資を得ることも可能ですが、学生はビジネスの実績がほぼ皆無なので、融資を受けるのが難しいです。
この点は学生が起業する際の大きなデメリットと言えます。
また、融資の際、自己資金がないと、事業への意欲があまりないと見られ、融資してもらえないことも、少なくありません。
さらに、融資を受けるに当たり、事業計画書を作成する必要があります。
事業計画書の質が低ければ、もちろん融資を受けることができません。
融資先へのプレゼン能力が問われるため、事業計画だけでなく説明の内容も問われてきます。
これは社会経験のない学生には、圧倒的に不利であると思われます。
4.大学生が起業で失敗しないために必要な考え方
前項のデメリットで見てきたように、起業にはそれなりの資金が必要になるため、まずはきちんとした起業プランを練ることが重要です。
そして、自己資金ではまかなえないほどお金がかかる場合は、融資での資金調達を考えます。
ただし、前項で述べましたように、融資を受ける場合は、きちんとした事業計画ができていなければ、融資先の審査で落ちてしまいます。
そのため、まずは資金が少なくてもできるような起業法を考えるのが賢明です。
4-1.店舗や会社を必要とする起業を避ける


起業と聞くと、お店を開店したり、会社を設立することを考えがちですが、サービスの提供と代金の回収さえできれば、お店も会社も必要ありません。
特に店舗を構えれば、どんなに小規模でも数百万円単位の軍資金が必要で、社会人経験もお金もない大学生が、人生をバクチにかけるのは、少し勇み足が過ぎるかと思います。
会社がなくともビジネスは可能です。
法人ではなく個人で起業した人のことを、個人事業主といいます。
法人と個人事業主の主な違いは、税金が会社にかかるか、個人にかかるかの違いだけです。
(法人は法人税、個人事業主は所得税。いずれも事業の利益にかかる税金で、税率が異なります。)
ビジネスに必要な要素である、集客、サービス提供、代金の回収。
これらはすべてインターネットで行うことができます。
そのため、無理して会社を作るようなことを考えるのではなく、インターネットを通じてできることを考えれば良いのです。
4-2.集客・教育・販売、それぞれの媒体と方法を考える


先にも述べましたように、ビジネスは、
見込み客を集客 → 見込み客を教育(売りやすくする) → 販売
この流れに沿って行われます。
それぞれの行程において、その特性に合った媒体、方法を考えなければなりません。
ひとことでインターネットといっても、集客においては、様々な媒体があります。
- 活字媒体 → ブログ・Twitter・Facebook
- 動画媒体 → Youtube
- 写真媒体 → インスタグラム
例えば、飲食物を販売する場合、ブログを使って文章で説明するより、インスタに料理をどんどんアップしていく方が、圧倒的に注目を集めやすいわけです。
販売したい商品、集めたいお客さんによって、媒体を変えていく必要があります。
また、集まった見込み客に、いきなり商品をオファーしても、なかなか買ってもらえません。
商品をオファーする前に、自分がそのビジネスにどれだけ情熱を持って取り組んでいるかとか、取り扱う商品の内容や由来の説明などを行い、見込み客をファン化させなければなりません。
そこで有効になるのが、メルマガやLINE@です。
これらは随時、顧客に情報を段階的に提供できるので、時間をかけて価値観を説明していくことで、見込み客をファン化させることができます。
このように、それぞれのプロセスに応じたメディアを使い分けていくのが、ネット起業に必須な戦略です。
4-3.ジョイント・ベンチャー(共同経営)は成功しにくい


起業説明会やセミナーが各地で開催されています。
このような場所で、起業家の卵と知り合うこともあります。
意気投合して、一緒に何かやろうという流れになることもあるでしょう。
例えば、SONYは井深大と盛田昭夫の二人を中心として創業されましたが、彼らは技術屋と営業畑とで、住み分けができていたこと、そして何よりお互いをリスペクトしていたので、大成功したという稀有な例です。
二人で起業すれば、得意分野をそれぞれに振り分けたり、2倍のエネルギーがあることで、相乗効果を生むような気がしますが、意外とジョイント・ベンチャーはうまくいかないものです。
なぜかというと、お金の取り分で必ずもめるからです。
得意分野を分けて仕事をしても、どちらかがビジネスの根幹となる業務になるはずです。
そうすると、利益を山分けすると、メインの業務に当たっている方が、割が合わないような気がします。
中には、お金はどうでもいいという人もいますが、仮に事業が成功して、入ってくる金額が大きくなると、考えが変わるなんてことも、少なくありません。
なので、共同で起業するにしても、上下関係を作って、どちらかが上になった方が、逆にうまくいきやすいのです。
そして、学生が社会人と組んだ場合、基本的には学生の方が下になってしまうため、この場合、起業しているというより、創業したての会社に就職したような感じになってしまいます。
また、自分のやることは、自分でコントロールできますが、自分が上になったとしても、意見が異なることもあるため、共同経営者を完全にコントロールすることは難しいです。
そのため、自分が失敗するリスクだけでなく、共同経営者の行動で起業が失敗するリスクもあります。
つまり、成功しても利益は半分程度、失敗するリスクは2倍(以上)なので、ジョイント・ベンチャーは難しいのです。
初めての起業であれば、なおのこと難しくなります。
5.まとめ
現役の学生が起業してビジネスを開拓した例も多くあります。
ただし、学生時分に大金を集める場合、自己資金だけでは足りないことが多く、融資を頼りたいところですが、学生であるゆえに、融資が受けにくいというデメリットがあります。
多額の資金を必要とする起業を考える場合、かなり制度の高い事業計画と、それに必要な資金をしっかり洗い出しておく必要があります。
そのため、大金を必要とするビジネスよりも、インターネットを使ったスマートな起業法を考えるのが、無難であることに間違いはありません。
このようなリスクの低い起業の場合、アルバイトをするよりも効率よく稼げる場合もあり、起業スキルを磨くことで、大学卒業後の進路に関わらず、役立てることができます。
大きな夢を抱いて挫折をするくらいなら、身の丈にあった起業をすることから始めてみてはいかがでしょうか。